彼氏を作るのはコスパ最悪？月3万円の交際費と引き換えに得られる精神的メリットを計算してみた

「また今週末もデートか……」

金曜日の夜。
スマホのカレンダー通知を見て、思わずため息をついてしまった経験はありませんか？

本来なら楽しみなはずの週末。
けれどあなたの頭をよぎるのは、ときめきではありません。

「今月、美容院代と服代で結構カツカツだな……」
「あーあ、日曜日は溜まったドラマを一気見したかったのに」

そんな現実的な**「コスト」への懸念ではないでしょうか。

SNSを開けば、友人の結婚報告や、カップルのキラキラした投稿が流れてくる。
「いいね」を押しつつ、心のどこかでこう冷めた目で計算している自分がいる。

「恋愛って、正直コスパ悪すぎない？」

推し活なら、課金した分だけ確実な供給があります。
仕事なら、頑張った分だけ給料や評価として返ってきます。

でも、恋愛は？
時間もお金も精神力も投資したのに、リターンどころか傷ついて終わるリスクさえある。
そう考えると、わざわざ彼氏を作るメリットなんて、今の時代に存在するのでしょうか。

もしあなたが今、この疑問を無視して「なんとなく」で交際を続けたり、あるいは世間体のために無理に彼氏を作ろうとしているなら、少し立ち止まってください。

その曖昧な選択は、あなたの大切な20代、30代という資産をドブに捨てることになるかもしれません。
逆に、「恋愛の本当の機能」を知らずに一人の世界に閉じこもり続けることもまた、将来取り返しのつかない「機会損失」を生む可能性があります。

この記事は、あやふやな恋愛感情論を語るものではありません。
あなたの貴重なリソースを守り、人生を豊かにするための「投資対効果（ROI）の検証」**です。

この記事を執筆している私は、ファイナンシャルプランナーの資格を持ちながら、過去10年間にわたり現代女性のライフスタイルと恋愛観を取材してきたコラムニストです。
数多くの「恋愛に疲れた女性たち」の家計簿と本音に向き合ってきた経験から、綺麗事抜きのリアルな分析をお届けします。

さあ、電卓の用意はいいですか？
あなたの人生における「彼氏」という案件の、厳正な事業仕分けを始めましょう。

正直、「彼氏がいるメリット」って何？現代女性のリアルな損得勘定

「彼氏がいれば幸せ」
そんな昭和的な価値観は、もはや過去の遺物となりつつあります。

女性も経済力を持ち、娯楽も無限にある現代。
私たちはかつてないほどシビアな目で恋愛をジャッジしています。

「恋愛＝コスパが悪い」と感じてしまう理由

なぜ私たちはこれほどまでに、恋愛を「面倒だ」と感じてしまうのでしょうか。
その背景には、現代特有の環境変化が大きく関わっています。

一昔前までは、結婚して家庭に入ることが女性の生存戦略として合理的でした。
しかし今は違います。

一人でも生きていける。
むしろ一人の方が、お金も時間も自由に使えて豊かかもしれない。
そう感じさせる要因を整理してみましょう。

つまり、現代において彼氏を作るということは、数ある娯楽や自己投資の中から、あえて**「不確実性の高い案件」**を選び取ることに他なりません。
コスパが悪いと感じるのは、あなたが冷たい人間だからではなく、合理的思考を持っている証拠なのです。

「彼氏 メリット」と検索する人の深層心理

あなたが今、この記事にたどり着いたということは、心のどこかで迷いが生じているはずです。
Google検索のキーワードには、検索者の本音が色濃く反映されます。

「彼氏 メリット」と検索する人の心理状態は、大きく分けて以下の2パターンです。

どちらのパターンにせよ、感情だけで動くフェーズは終わっています。
ここからは、ドライに数字と事実で検証していきましょう。

【コスト編】彼氏一人につき月々いくらかかる？3万円の内訳

「愛にお金の話を持ち込むなんて」という反論は一旦横に置きます。
企業が新規プロジェクトを立ち上げる際に予算を組むように、恋愛にもランニングコストの把握が必要です。

一般的な20代〜30代の働く女性が、彼氏と並程度の交際を維持するためにかかる費用。
これをシミュレーションすると、驚くべき数字が見えてきます。

ここでは平均的なモデルとして、**「月3万円」**という数字を算出しました。
その内訳を見てみましょう。

金銭的コスト：デート代・プレゼント代・自分磨き費

彼氏がいると、どうしても財布の紐が緩みます。
「割り勘」が主流の現代でも、出費は避けられません。

年間36万円。
これは、ハイブランドのバッグが一つ買える金額です。
あるいは、つみたてNISAで手堅く運用すれば、将来大きな資産になる額です。

「彼との食事は美味しいから」と自分を納得させていませんか？
もしその食事が、女友達となら半額で、しかも気を使わずに楽しめるものだとしたら？
この3万円は、純粋な**「彼氏維持手数料」**と言えるかもしれません。

時間的コスト：LINE返信・週末の拘束時間・自分時間の減少

時は金なり。
タイムパフォーマンス（タイパ）の観点から見ると、恋愛はさらに分が悪くなります。

「週末は彼と会うのが暗黙のルール。土曜の昼から日曜の夕方まで潰れるので、資格の勉強も副業も全然進まない」
（26歳・IT関連勤務）

例えば、週末のデートに毎回10時間を費やすとします。
月4回で40時間。

あなたの時給を仮に2,000円とした場合、月8万円分の労働価値に相当する時間を彼に捧げていることになります。

さらに見落としがちなのが**「マインドシェア（思考の占有率）」**です。

• 「LINEの返信遅いな、何してるんだろ」とスマホを気にする時間
• デートプランを検索する時間
• 喧嘩してモヤモヤし、仕事が手につかない時間

これらは目に見えないコストとして、あなたの生産性を確実に削いでいきます。
クリエイティブな仕事をしている人や、自己成長に貪欲な人ほど、この**「思考のノイズ」**は致命的な足かせとなり得ます。

メンタルコスト：嫉妬・喧嘩・気疲れのリスク

コストの中で最も厄介なのが、精神的負担です。

一人の時なら感じなくて済んだ感情。
「嫉妬」「疑念」「失望」「我慢」。
これらは、彼氏という他者が介入することで初めて生まれる負の感情です。

もし一つでも当てはまるなら、あなたは金銭以上の**「メンタルコスト」を支払っています。
ストレスは美容の大敵であり、免疫力を下げ、長期的には健康リスクにさえ繋がります。

ここまで見てくると、「彼氏＝負債」のように思えてくるかもしれません。
しかし、世の中の多くの女性がそれでも恋愛をするのはなぜか？

それは、コストを凌駕する「圧倒的なリターン」**が得られる瞬間があるからです。
次は、そのメリットについて検証します。

【リターン編】コストを払ってでも得られる「彼氏のメリット」

コストがかかるのは事実。
しかし、投資の世界でも「リスクを取らなければリターンは得られない」のが定石です。

彼氏がいることで得られるメリットは、単なる「寂しさの解消」レベルではありません。
科学的、物理的、そして社会的な側面から、その効能を深掘りしてみましょう。

科学的メリット：オキシトシン分泌によるストレス軽減と幸福感

これが最大のメリットであり、推し活では代替不可能な部分です。
肌と肌が触れ合うこと、ハグやキス、セックスによって分泌される脳内物質**「オキシトシン」**。
別名「幸せホルモン」とも呼ばれます。

このオキシトシンの効果は、医学的にも強力です。

• ストレスホルモン（コルチゾール）の減少:
  仕事で張り詰めた交感神経を鎮め、深いリラックス状態へ導きます。アロマやマッサージより即効性があります。
• 不安や恐怖心の緩和:
  「根拠のない安心感」が得られます。これは、厳しい競争社会を生き抜くためのメンタルシールドとなります。
• 痛みの緩和作用:
  頭痛や生理痛が、彼に背中をさすってもらうだけで和らいだ経験はありませんか？あれはプラシーボではなく、科学的な鎮痛作用です。

月3万円のサプリメントを飲むよりも、愛するパートナーとのハグ一回の方が、メンタルヘルスへの費用対効果は高いと言えるでしょう。
「人肌」という物理的な温もりは、最強の精神安定剤なのです。

物理的メリット：防犯対策や困った時のセーフティネット

特に一人暮らしの女性にとって、彼氏の存在は**「セキュリティ強化」**に直結します。

これらをすべて外注サービス（家事代行や警備保障）で賄おうとすれば、月3万円では到底収まりません。
生活のインフラとして機能する彼氏は、実は非常にコスパの良い存在と言えます。

社会的メリット：既婚・カップル文化への適応と安心感

これは少し皮肉なメリットかもしれませんが、無視できない現実です。
日本社会は、いまだに「パートナーがいること」を標準とした設計が多く残っています。

例えば、帰省するたびに親から言われる「いい人はいないの？」というプレッシャー。
友人との集まりで始まる「旦那・彼氏の愚痴大会」への参加資格。

彼氏がいるという事実は、**「私は社会的に求められる通常のルートに乗っていますよ」という証明書のような役割を果たします。

「そんな世間体なんて気にしない！」と強がってみても、心のどこかで疎外感を感じてしまうのが人間です。
彼氏という存在は、無用な詮索をシャットアウトし、あなたが社会でスムーズに生きるための「通行手形」**としても機能するのです。

この「変な目で見られない安心感」に、月数万円の価値を感じる女性は少なくありません。

結論：彼氏は「浪費」か「投資」か？損益分岐点の見極め方

ここまで、コストとリターンの両面を見てきました。
結局のところ、あなたにとって彼氏は必要なのか？

その答えは、**「その関係があなたの未来を拡張しているか、縮小させているか」**で決まります。
最後に、具体的な判断基準（損益分岐点）を提示します。

コスパ最悪な「彼氏を作るべきではない」タイミング

もしあなたが今、以下の状況にあるなら、無理に彼氏を作る（維持する）のは**「投機（ギャンブル）」**に近い危険な行為です。
一旦、恋愛市場から撤退することをおすすめします。

• 人生の転換期にいる時:
  転職活動中、資格試験前、起業直後など。
  リソースを100%自分に投下すべき時期に、他者への気遣いはノイズでしかありません。
• 精神的に自立できていない時:
  「寂しさを埋めてほしい」という動機での恋愛は、相手に依存し、高いメンタルコストを支払う泥沼の結果になりがちです。
• 「彼氏」という肩書きだけに執着している時:
  相手そのものではなく、「彼氏がいる自分」が好きなら、その3万円はただの見栄代です。
  もっと安上がりな自己肯定感の高め方は他にあります。

それでも「彼氏がいてよかった」と思える瞬間の価値

逆に、コスト計算を超えて**「この投資は正解だった」**と思える瞬間。
それは、計算できない価値（プライスレス）を感じた時です。

辛いことがあって泣き崩れた夜、何も言わずに背中をさすってくれる手がそこにあること。
美味しいものを食べた時、「あいつにも食べさせたいな」と自然に顔が浮かぶこと。
自分のこと以上に、自分を信じて応援してくれる味方がいること。

もし今の彼氏が、あなたの人生のエネルギーを奪う「金食い虫」ではなく、あなたの背中を押してくれる「充電器」のような存在なら。

月3万円の維持費なんて、安いものです。
それは消費ではなく、あなたの人生を豊かにするための、最高の**「自己投資」**になり得るのですから。

さあ、計算機を置いて、自分の心に聞いてみてください。
今の彼は、あなたにとって「コスト」ですか？
それとも、未来を共に創る「パートナー」ですか？