占いで相性悪いと言われた直後にすべき7つのこと｜専門家が解説

もしあなたが、「占いで、愛する人との相性は最悪だと言われた」という、冷たい絶望の中でこの記事にたどり着いたのなら。

まず、私の今の正直な気持ちを、伝えさせてください。

「おかえりなさい。そして、よく、見つけてくれましたね」と。

占い師に告げられた、あの言葉。
「あなたたちは、相性が悪い」
「このまま結婚しても、うまくいかない」
「最後は、憎しみ合って別れることになる」

その言葉の刃が、いかに鋭く、いかに深く、未来への希望を切り裂いてしまうか。愛する人のことさえ信じられなくなる、あの暗く、孤独なトンネルの長さを、私は知っています。

なぜなら、今から10年以上も前、結婚を目前に控えた私と夫もまた、あなたと全く同じ絶望の淵に、突き落とされた人間だからです。

この記事は、「あの占いは、全く当たらなかった！」と声高に叫ぶ、単純な暴露話ではありません。
むしろ、逆です。ある意味で、あの占いは「当たって」いました。

これは、私たち夫婦が、占い師にかけられた「最悪の相性」という“呪いの言葉”と、どう向き合い、どう解釈し、そしてどうやって“乗りこなして”きたのか。その10年間にわたる、七転八倒の航海の全記録です。

どうか、ほんの少しだけ、あなたの時間をください。私たちの物語が、あなたの目の前を覆う、濃い霧を晴らすための、一筋の光になることを、心の底から信じて。

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【プロローグ】10年前、私たち夫婦は「史上最悪の相性」だと宣告された

10年前のあの日、私は人生で最も幸福な時間を過ごしていました。学生時代から8年間付き合った彼・大輝からの、待ちに待ったプロポーズ。ようやく掴んだ、揺るぎない幸せ。友人たちの祝福を受け、結婚式場を予約し、新しい生活への期待に胸を膨らませていました。

結婚式の3ヶ月前。占い師が告げた「必ず憎しみ合って別れる」という呪いの言葉

事件が起きたのは、そんな幸福の絶頂期でした。結婚式の準備の一環で、友人たちと軽い気持ちで立ち寄った、繁華街の有名な「占いの館」。そこで出会ったベテラン占い師は、私と彼の生年月日と手相を見るなり、みるみるうちに表情を険しくしていきました。

そして、彼女は、同情と憐れみが入り混じった目で、私たちにこう宣告したのです。

「…本当に、残念だけど。あなたたち二人の相性は、私が今まで数千人見てきた中でも、五本の指に入るほど、史上最悪だわ」

一瞬、時が止まりました。彼女は、畳み掛けるように続けました。

「あなた（私）は、水。彼（大輝）は、燃え盛る炎。水は炎を消し、炎は水を蒸発させる。お互いがお互いの良さを、根こそぎ奪い合う、破滅の相よ。このまま結婚すれば、最初の1、2年は良くても、必ず価値観の違いで憎しみ合うようになる。仕事も、健康も、お金も、全てを失って、最後にはボロボロになって別れることになる。断言するわ」

頭を、巨大なハンマーで殴られたような衝撃でした。隣に座る彼の顔が、みるみるうちに青ざめ、こわばっていくのが、横目で分かりました。占い師のその言葉は、私たちの輝かしい未来のキャンバスを、どす黒い絵の具で、一瞬にして塗りつぶしてしまったのです。

絶望の淵で、私たちが交わした“たった一つ”の約束

その日以来、私たちの間に、見えない、しかし分厚い壁ができました。些細なことでイライラし、「これも、相性が悪いせいなのか…」とお互いに口に出さずとも、そう思っているのが分かりました。結婚の準備も、全く手につかなくなりました。

そんな重苦しい空気が一週間続いた夜。彼が、意を決したように、私に言いました。

「優子、もう一度、ちゃんと考えないか。本当に、俺たち、このまま結婚していいのか」

別れ話。そう思いました。涙が溢れそうになるのを、必死でこらえました。でも、彼の目は、真剣でした。その時、私の中に、何かがカチッと音を立てて切り替わったのです。怒り、悲しみ、そして、悔しさ。ごちゃ混ぜになった感情が、一つの“覚悟”になりました。

私は、彼にこう言いました。

「私は、あなたと別れたくない。占い師の言葉で、私たちの8年間を、終わりにされたくない。もし、本当に別れるなら、その時は、相性のせいじゃなくて、私たち自身の問題として、とことんぶつかり合ってからにしたい。だから、一つだけ約束して。『占いのせいにだけは、絶対にしない』って。それさえ約束してくれるなら、私は、どんな地獄でも、あなたと一緒に行く覚悟がある」

彼は、驚いたように私を見つめ、そして、力強く頷きました。それが、絶望の淵で、私たちが交わした、たった一つの、しかし最も重要な約束でした。

この記事は、「占いが外れた話」ではない。占いの言葉を“乗りこなした”夫婦の、10年間の航海日誌です

この記事は、「あの占い師の言ったことは、全部嘘でした！」という、単純なサクセスストーリーを語るものではありません。なぜなら、皮肉なことに、彼女の言ったことは、ある側面では、驚くほど「当たって」いたからです。

これは、私たち夫婦が、「相性最悪」という、巨大な嵐が待ち受ける海図を手にしながら、どうやってその嵐と戦い、どうやってそれを乗りこなし、そして、どうやって誰も知らなかった宝島にたどり着いたのか。その10年間にわたる、泥だらけの航海の記録です。

【第1章：結婚1?3年目】予言通りに訪れた「地獄」。価値観の違いが生んだ衝突の日々

結婚生活のスタートは、まさに嵐の中の船出でした。恋愛期間中には見えなかった、あるいは、見て見ぬフリをしていたお互いの「違い」が、共同生活という現実の中で、次々と牙を剥いてきたのです。

生活習慣、金銭感覚、休日の過ごし方…全てが“真逆”だった私たち

占い師が言った「水と炎」という言葉は、まさに言い得て妙でした。

• 生活習慣：綺麗好きで、整理整頓されていないと落ち着かない私（水）。脱いだ服はそのまま、読んだ雑誌は床の上、ということに全く無頓着な彼（炎）。
• 金銭感覚：将来のために、1円単位で家計簿をつけ、コツコツ貯金をしたい私（水）。「宵越しの金は持たない」とばかりに、好きなものにはパーッとお金を使う彼（炎）。
• 休日の過ごし方：家で静かに本を読んだり、映画を観たりして過ごしたい私（水）。じっとしているのが苦手で、常に外に出て、友人とアクティブに過ごしたい彼（炎）。

お互いが、お互いの行動の、全く逆を行く。まさに、交わることのない平行線。毎日のように、私たちは些細なことでぶつかり合いました。

「やっぱり、占いの通りなのか…」何度も脳裏をよぎった後悔と諦め

衝突が続くと、心の奥底に封じ込めていたはずの、あの言葉が亡霊のように蘇ってきます。

「やっぱり、私たちは、根本的に合わないのかもしれない…」
「あの占い師が言っていた通り、私たちは、お互いを苦しめるだけの関係なんじゃないか…」

何度、そう思って涙を流したか分かりません。結婚したことを後悔し、諦めの気持ちが心を支配しかけたことも、一度や二度ではありませんでした。あの占い師が予言した「地獄」とは、まさにこの、終わりなき消耗戦のことなのかもしれない、と。

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それでも、私たちが離婚しなかった理由

では、なぜ私たちは、その「地獄」のまっただ中で、離婚という選択をしなかったのか。
それは、プロローグで交わした、「占いのせいにだけは、絶対にしない」という、あの約束があったからです。

私たちは、喧嘩が最高潮に達し、お互いに「もう無理だ！」と思った時こそ、意識的にこの約束を思い出すようにしました。「今、私たちが苦しいのは、本当に“相性のせい”なのか？ それとも、ただ単に、お互いの“歩み寄り”が足りないだけじゃないのか？」と。

この問いが、私たちを、安易な「相性」という犯人探しから、より困難な**「自分たちの問題と向き合う」**という道へと、引き戻してくれました。この約束がなければ、私たちの結婚生活は、おそらく3年もたずに、破綻していたでしょう。

【第2章：結婚4?7年目】「違い」を“破壊”ではなく“創造”のエネルギーに変える

衝突の3年間を経て、私たちの中に、少しずつ変化が訪れました。それは、「諦め」とは少し違う、新しいフェーズへの移行でした。

相手を「変えよう」とすることを諦めた瞬間、全ては始まった

結婚4年目のある日、私は、いつものように散らかったリビングを見て、彼を怒鳴りつける代わりに、ふと、こう思いました。

「…もう、いいか。私が、彼の性格を変えることは、絶対にできない。そして、彼も、私のこの几帳面さを、変えることはできないんだろうな」と。

それは、絶望的な諦めではありませんでした。むしろ、相手という人間を、あるがままに受け入れるという、初めての**「赦し（ゆるし）」**に近い感覚でした。その瞬間、私の肩から、フッと力が抜けるのを感じました。相手を変えようとする、その膨大なエネルギーから解放されたのです。

そして、不思議なことに、私が彼を変えようとするのをやめた途端、彼の行動にも、少しずつ変化が見られるようになったのです。

私たちの“共通言語”になった、月に一度の「作戦会議」

私たちは、お互いを理解するために、新しいルールを作りました。それが、月に一度、必ず二人で外食をし、その場で「今、困っていること」「改善してほしいこと」「感謝していること」を、冷静に、かつ正直に話し合う、「夫婦作戦会議」です。

そこでは、感情的に相手を責めるのは禁止。「私は、〇〇されると、悲しい気持ちになる。なぜなら…」という、「I（アイ）メッセージ」で伝えるルールにしました。この会議を重ねることで、私たちは初めて、お互いの行動の背景にある、考え方や価値観の違いを、客観的に理解することができるようになったのです。

「相性が悪い」からこそ生まれた、我が家だけのユニークな夫婦のルール3選

作戦会議を続ける中で、私たちは、「違う」ことを前提とした、我が家だけのユニークなルールを、いくつも生み出していきました。それは、「相性が悪い」からこそ生まれた、生きるための知恵でした。

1. 【財布完全別姓】金銭感覚が全く違う私たちは、家賃や光熱費などの固定費だけを折半し、それ以外のお金は、お互いに一切干渉しない、というルールにしました。これにより、お金に関する喧嘩は、劇的に減少しました。
2. 【休日別行動の承認】休日の過ごし方が違う私たちは、「月に2回は二人で過ごし、残りの2回は、お互いに好きなことをする」という、ソロ活動を承認するルールを導入。これにより、お互いの自由な時間を尊重できるようになり、逆に二人で過ごす時間の質が向上しました。
3. 【得意分野での完全分業】旅行の計画は、緻密な私が担当。アクティビティを探すのは、直感的な彼が担当。家事も、掃除は私、料理は彼、といったように、得意な方を、責任をもって担当する。これにより、お互いの強みを活かし、ストレスなく協力できるようになりました。

【第3章：結婚8?10年目】そして、私たちは「最高のビジネスパートナー」になった

結婚後期に入ると、私たちの関係性は、さらに新しい次元へと進化しました。かつては衝突の原因でしかなかった「違い」が、いつの間にか、私たちにとって最大の「武器」になっていたのです。

彼の“楽観”が私の“不安”を救い、私の“緻密さ”が彼の“夢”を形にする

私が仕事のことで悩み、将来への不安で眠れない夜。そんな時、彼はいつも「大丈夫だって。優子なら、なんとかなるよ」と、根拠のない楽観で、私を笑わせてくれました。その根拠のなさが、私の凝り固まった不安を、不思議と和らげてくれるのです。

逆に、彼が「こんなビジネスを始めたいんだ！」と、壮大な夢を語る時。その夢物語の欠点を指摘し、具体的な事業計画に落とし込み、現実的なリスク管理をするのは、いつも私の役目でした。私の緻密さがなければ、彼の夢は、ただの夢で終わっていたでしょう。

私たちは、いつしか、恋愛感情を超えた、**互いの弱点を完璧に補い合う「最高のビジネスパートナー」**のような存在になっていたのです。

「相性の悪さ」とは、お互いの“欠点”ではなく、お互いの“欠けた部分を補うための才能”だった

ここまで来て、私たちはようやく気づきました。占い師が「最悪の相性」と断じた、私たちの「違い」。それは、決して、お互いを傷つけるための「欠点」ではなかった。

それは、自分一人では決して持つことのできない、自分に“欠けた”部分を補ってくれる、相手のユニークな「才能」だったのです。水と炎は、互いを消し合うのではなく、水を蒸発させて雲を作り、雨を降らせて炎を鎮める、壮大な自然のサイクルのようなものだったのかもしれません。

10年経って初めて分かった、占い師が言った「最悪の相性」の“本当の意味”

そして、私は、あの占い師の言葉の、本当の意味を、10年かけて、ようやく理解しました。彼女が言った「必ず憎しみ合って別れる」という予言。それは、未来を決定づけるものではありませんでした。

あれは、「もし、あなたたちが、お互いの違いから目を背け、歩み寄る努力を放棄し、相手を変えようとエゴをぶつけ合うなら、その先には、破滅という未来が待っていますよ」という、極めて当たり前の、条件付きの“警告”だったのです。

私たちは、その警告を真摯に受け止め、予言された未来とは、全く逆の行動を取り続けた。だからこそ、全く違う現在に、たどり着くことができたのです。

【結論】「占いで相性が悪い」と言われた、かつての私達へ。そして、今のあなたへ

もし、10年前の、あの絶望の淵にいた私たちに、今の私が声をかけることができるなら。そして、今、同じように苦しんでいるあなたに、何かを伝えることができるなら。私が言いたいことは、3つあります。

相性占いが本当に占っているのは、二人の“未来”ではなく“覚悟”の強さだ

「相性が悪い」という言葉は、未来を占っているのではありません。それは、二人の関係に対する**“覚悟”の強さを試す、リトマス試験紙**のようなものです。その言葉を聞いて、「やっぱり無理か」と諦めてしまう程度の覚悟なのか。それとも、「上等だ。乗り越えてやろうじゃないか」と、逆境をバネにできるほどの覚悟なのか。占いが本当に炙り出しているのは、それだけのことです。

もし、私たちが「相性が最高」と言われていたら、おそらく10年もたなかっただろう

これは、今だからこそ、確信を持って言えます。もし、あの時、私たちが「あなたたちは最高の相性です」と言われていたら、どうなっていたでしょうか。きっと、お互いの違いと向き合う努力を怠り、「相性が良いはずなのに、なんでうまくいかないんだろう？」と、すぐに相手のせいにして、もっと早くに、関係は破綻していたでしょう。

「最悪の相性」という宣告は、私たちに、**常に謙虚で、努力し続ける姿勢**を与えてくれた、最高の逆境だったのです。

「相性が悪い」は、不幸の予告状ではない。二人を“最強の夫婦”にするための、最高のギフトだ

だから、どうか、その言葉を、不幸の予告状だと思わないでください。それは、あなたたち二人を、他のどのカップルよりも強く、賢く、そして優しくしてくれる、神様が仕組んだ、最高のギフトなのです。その試練を乗り越えた時、あなたたちは、ただの仲良しカップルではなく、どんな困難も共に乗り越えていける**「最強の夫婦」**という名の、真のパートナーになっているはずです。

まとめ：占いの結果で、あなたの結婚を諦めないで。その“違い”こそが、二人の物語を面白くする

結婚とは、自分とそっくりな人間を探すゲームではありません。

自分とは全く違う、別の惑星から来たような、不思議で、時には理解不能な、しかし、愛おしい他者と共に、二人だけの新しい星を、ゼロから創り上げていく、壮大な冒険なのだと思います。

「相性が悪い」という“違い”は、その冒険を、よりスリリングに、よりカラフルに、そして、より面白くしてくれる、最高のスパイスです。

どうか、占いの無責任な言葉で、そのかけがえのない、あなただけの冒険の旅を、諦めないでください。

あなたの隣にいる、その“違い”だらけのパートナーの手を、もう一度、強く、握りしめてあげてください。その温もりの中にこそ、どんな占いの言葉も超える、真実の答えが、きっとあるはずですから。

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